建材として使用される木の種類は多種多様です。同じ種類の木であっても、個体差があります。原産地はもちろん、同じ山に生える木でも標高や傾斜など育つ環境によって、木目の詰まりなどに差が生じます。
このように人間と同じように個性豊かな木材を洗うには、それを見極める経験と技術が必要です。個性豊かな木材が、建材として新たな環境でストレスにさらされます。
屋外では風雨、煤煙、紫外線などに、屋内では空調、脂など。私たち人間の赤ちゃん、20代、60代それぞれの肌の手入れの仕方が違うように、木の種類、育った環境、使用されている環境によって、メンテナンスの方法が変わります。
当社の方針として、素材のために出来るだけ科学的なものの使用を控え、可能な限り水だけで洗うことを目指していますが、お客様のご予算・工期に合わせ多様な工法をご提案させていただいています。
タイル・パネル・化粧コンクリートの種類、作業環境から洗浄方法を選定します。手作業による薬品洗浄、素材や汚れの程度によって吐圧・温度を調整して行う高圧(温水)洗浄、またはそれらの組み合わせによる洗浄、作業環境によっては汚水を回収しながら洗浄することも可能です。ご予算、ケースに応じて最適な工法をご提案いたします。
田中美装の業務の一つに、大規模改修クリーニングが挙げられます。マンションから大型商業ビルまで、建物の種類は問いません。美装会社の中には、限られた種類の美装に特化した会社もありますが、当社では養生工事を含む外・内部の洗浄美装工事を自社で一貫対応し、一番美しい状態へ仕上げます。
新築、または改装された住宅や店舗の引渡し前のクリーニングです。新しい建材の建築中についた汚れを落とし、真新(まっさら)な状態に仕上げます。ご要望があれば、引渡し後のメンテナンスを考慮したコーティングも行います。お気軽にご相談ください。
天然石材を建材として使用する良い点として、高級感・デザイン性・堅牢で強い、などがあげられますが、一方で、シミ(注1)・錆び(注2)、濡れ色現象(注3)、エフロ(白華)現象(注4)といった事案も発生します。
これは天然石材が持つ特徴の一つである「吸水性」によるものです。石材表面に現れる事案は石材内部に問題が生じているため、その根本にアプローチして解決する必要があります。
また石材には、アルカリや酸に弱いものも多く、内装材として多く使用されている大理石は酸性に弱く溶けるため、場合によっては研磨が必要です。
比較的強いとされる御影石も鏡面仕上げはデリケートでくもりが発生します。木材ほど個体差によるばらつきはないものの、石材の種類によって性質は大きく異なります。それぞれのケースに合わせて最適な工法と道具を選定し対処いたします。
代表的な化粧材としてあげられるのは、ステンレス、スチール、ブロンズなどです。これらの金属は薬品洗浄が可能です。錆びや市販の洗浄剤では落とせない汚れも、きれいに除去します。素材を傷めないためには、薬品と道具の選定が肝要です。
田中美装にご依頼いただく現場で、周囲の植栽、排水の問題等環境面から、どうしても洗剤を使用できないケースには高圧超高温水洗浄機によるクリーニングを提案しています。
この「高圧超高温水洗浄」は、水温を100℃~150℃、吐水力を低圧から高圧まで柔軟に調整することが可能で対象の素材を選びません。洗剤を使わないため汚水処理が不要な点も大きなメリットです。コンクリート、タイル、石材等、外壁、庭園のアプローチや建物の共用部、または橋げたやトンネルなど、多数実績があります。
田中美装は、天然の木・石材にはコーティングは好ましくないと考えています。天然素材が持つ調湿効果などを生かすよう洗い上げ、引き渡したいというのが基本理念です。しかしながら、状況によってコーティング等による保護が有効な場合があります。
例えば、水や油をこぼしシミができやすい環境・場所の先々のメンテナンスのしやすさ、また経年により艶がなくなってしまったものの再生の方法としてコーティングをご用意しています。多数あるメーカーのあらゆる商品をケースに合わせて吟味し、施工してまいりました。幅広い選択肢からお客様のご要望に応じた提案が可能です。
月日の経過と共に汚れや傷みは顕著に表れます。それは建物や施設といった建造物も、神具や彫刻も変わりません。田中美装では、そうした建造物をはじめとするお客様の大切な財産を末永く美しい状態で保ち続けるためのメンテナンス-美装管理-を行っています。
建物洗浄・クリーニングの豊富な知識と高い経験値を応用し、様々なケースに対応します。公益財団法人彫刻の森芸術文化財団の所蔵監修の日本各地に点在する彫刻のメンテナンスでは、公益財団法人彫刻の森芸術文化財団の職員から技術指導を受け行っています。また他にも、世界的な大規模アトラクション施設をはじめ、様々な物件の美装管理を行っています。次代へと財産を美しく引き継ぐために、ぜひ定期的な管理をご検討ください。
屋内・屋外展示の彫刻などをはじめとする作品のメンテナンスを行っています。屋内では空調によるダメージや手垢脂、屋外では風雨・煤煙・紫外線・野鳥などによる糞害・樹液など様々な汚れを定期的に除去し、保護剤を塗布することで作品を守ります。
※当社のスタッフは 箱根彫刻の森美術館 で定期的にトレーニングを受けています